前回、思わせぶりなタイトルで書いた「タイニーハウスを突き詰めて行けば辿り着くは・・・」の記事ですが、実はキャンピングカーがタイニーハウスブームと繋がっているではないか、そんな話をしました。キャンピンクカーはアメリカで「motorhome」と言うカテゴリーで括られています、移動できるお家と言う感覚です。

    筆者はキャンピングカーを乗ってかなり年数を重ねていますが、今は乗り換えを検討しています。次いでと言うか、前回の記事を書いたからこそと言うか、国内で乗るキャンピングカーの条件について考えて見ました。人それぞれの住環境や認識によって、考えが違うと思いますが、筆者の場合の話をしますので、参考できる方は、参考にしていただければ幸いです。

初キャンピングカーを買う時に考えた条件

● 都会に住んでいるので街乗りが出来る事
● 用途やTPOを考え、架装するよりも外見が自動車のままである事
● 家の駐車場事情でスリムなボディである事
● 旅行などで家族全員が窮屈しない空間である事
● 運転席から車内移動し易い事(これは購入した時期にまだ不可能)
● 家族4~5人が寝られる事

    それらの条件を加味して、最終的に導き出されたのがバンコンでした。今ではバンコンがキャンピングカーの主流となりました。10年前に購入したのがキャラバンのロングボディハイルーフ、外寸は4990✕1690✕2280です。

    当時は標準ボディを使うキャンピングカー架装メーカーがなく、街乗りを考慮したとしても、このタイプが最小限でしたね。ポップアップ型式のキャンピンクカーも少なかったので、窮屈しない空間を重視すると、ハイルーフバンコンを選ぶしかありません。幼稚園や学校のイベントに行く時も使いますので、架装すると悪目立ちします、外見も結構気を遣いました。

    それより小さいのを望めば軽キャンを薦められました、でも正直、軽キャンの家族旅行は、痩せた旦那様と小さな子供たちでなければ考えられません。

ハイルーフバンコンを使って来たが実際問題が多い

    キャラバンのロングボディハイルーフ(2段ベッド)キャンピンクカーを10年乗りましたが、実際問題を以下に纏めます。

● 運転と全ての準備が女性なので、パズル的ベッド展開など結構疲れます
● 旦那が太り続けるので圧迫感が半端ない、就寝スペースを離したい
● 実家や周辺環境で車幅は標準の1690を超えられず選択肢が少ない
● 都内殆どのスーパーやモールでは、駐車場の高さ制限で入れません
● ロングボディでいつも駐車場から頭がはみ出ていて、不安になります
● 運転席と車室が隔離されていて、子供のケアが難しい
● 室外気温に影響される断熱性の弱さは睡眠障害となる
● 自動車エアコンを一晩付けるとバッテリがあがってしまう
● 給排水タンク20ℓは疲れる、せめて排水タンクは車体下に付けて欲しい
● 床絨毯で土禁にすると親戚や友人が乗る事に戸惑う、乗せる側も戸惑う
● 複雑なデザインや構造は旅を疲れさせるので、なるべくシンプルに

    そもそも、日本のキャンピンカーは野郎どものワイルドな遊び道具としか、考えられていませんでした。ここでも日本女性への扱いが伺えますね。子育ても家事も仕事もヒーヒー言いながら睡眠時間も削っているお母さんより、自分だけで稼いだつもりの旦那が遊び道具としてキャンピングカーを買う、そんなの許せますか?

    子供はいらないと生涯独身を通せるほどワイルドな野郎ならいいと思うのですが、日本のバンコンはその対象で設計しているキャンピングカーばかりでしたよ。夢と現実のギャップが大きいのが特徴ですね。

    キャンピングカーは寧ろ女性の子育てや仕事の足として使わせてろと言いたいですね。女性も運転できて、仕事をしながらの子育てにも使える、そんなキャンピングカーを、メーカーさんは作るべきだと思います。

    子育て中心なら軽キャンがいいと、多くのママ友に薦めて来ました。最近は女性目線で作られているキャンピングカーもかなり増え、買い替える際の楽しみも増えました。

乗り換えで検討したいキャンピングカーの条件

    再びバンコンが注目を浴びています。今回は都会で使う人たちの声が多くなったおかげで、標準ボディのバンコンが増えています。その上、レイアウトやベッド展開などがかなり効率的にできたものが多いので、マイホームより先にモーターホームで幸せになってみませんかw

    キャンピングカーの純粋なユーザーとして、お薦めしたところで何のメリットもないですが、正直、子供とのキャンピングカーライフがとっても楽しく、皆さんにも知って欲しいと思いました。

    キャンピングカーの乗り換えに当たって、改めてキャンピンングカーの条件を考えて見ました。

● 街乗りできるサイズはやはり重要な条件
● 駐車場事情は変わらないので標準ボディサイズも必須条件
● 外見が自動車のままを拘ると耐熱問題が解決できないので臨機応変に
● サブバッテリが繋がって夜通しのエアコンでバッテリがあがらない事
● 自動車エアコンがだめなら別電源エアコンがある事(睡眠確保必須)
● 高さ制限駐車場と窮屈しない空間を同時に解決するポップアップ
● 家族4~5人寝られる事(ポップアップなら可)
● 運転席から車内移動し易い事(バンコンでは無理?)
● ベッド展開が簡単(2アクション以内に)
● 断熱性をもっと重要視すべきで架装を検討範囲に
● 排水タンクが車体下に取り付けられ排水溝に捨てられる事
● 土禁をしなくてもいい構造デザイン


    バンコンのベース車両は殆ど日本製ワンボックスカーですが、助手席と運転席には高い障害があります。エンジン関係の設計でそうなっているのですが、はっきり言って、邪魔!です。前か後ろに持って行くか、下に沈めて欲しいです。後部座席の子供に何かある時は、いちいち外回りをしていられません、道路では危険ですし、雨や台風の時は悲惨です。

    軽自動車のキャンピングカーも車内移動が厳しいですよね、運転席と助手席に隙間が殆どないです。最近は助手席を畳めるデザインが出て来たので、子育ては取り敢えず軽キャンを勧めています。

    子供が中高になった筆者はバンコンに乗っていますが、やはり外に出て、後部車室へ移動するのは嫌ですね。キャンピングカーと解った人の視線とか面倒とかも一応ありますが、冬のドアから来る静電気と雨や台風の中では、どんなに楽しい気分も害されてしまいます。そうなると、運転の疲れしか残らなくなります。なので、ずっと運転席と助手席の間の山を、腰を曲げて大股で超えていますが、腰の負担が大きいし、しょっちゅうあっちこっちにぶつかります。天井のエアコン吹き出し口部分に何度頭をぶつけたものか、これもかなり気分を害してしまいます。自動車デザイナーの皆さんにぜひ経験して欲しいと思います。

    それから架装メーカの断熱、本当に断熱してるの?と言うくらい、冬は寒くて夏は暑い、寝具で対応していますが、やはりたっぷりと熟睡は出来ないので、2、3日の旅で疲れが出ます。確かに車体の断熱には限界があります、それならソーラー電源でエアコン使う事を前提に、徹底したシステム構成をすればいい、数百万もする買物なのに中途半端な条件では、ユーザーも何を買えばいいか決心が揺らぎます。

    こんな話で申し訳ありませんが、素直な意見として述べさせていただきました。かつてイギリスの料理がまずいのは、紳士過ぎてなんでも我慢して食べるから、意見されない料理界は進化が出来なかったと言う話がありました。日本のキャンピングカーが進化するには、実際にキャンピングカーに乗っている人の意見が大事かと、勝手に思っています。

    東南アジアや中国で日本車のローカル架装バンコンが急激に増えています。キャンピングカーの良さを理解するのは、日本人よりも早いのです。みんな同じ思いを抱えているので、改善すれば、キャンピングカー用バンとして輸出量も増える筈です。或いは中古キャンピングカーの市場がうーんと広がったりする筈です。

検討中のキャンピングカー

    検討材料の一つとして価格帯も載せておきます。TOPの画像のレクビィのキャンピンクカーであるポシェット 7-DAYSは、407~509万円です。



❝http://flott-m.com

    トヨタライトエースと言う車種の選択は、都会の生活に馴染みやすく、女性でも運転し易いメリットがあります。いま、ワイドでロングなボディのバンコンは都会では運転し難い、軽キャンでは遠出の遊びには物足りない、その間のコンパクトキャンピングカーがジャストサイズと言われています。

    シュピーレンはお客様の要望に沿ってレイアウトを考えてくれる、オーダーメイドに近い状態で自分だけのキャンピングカーを手にする事ができます。セカンドのバタフライシート一人のレイアウトをネットで調べた参考価格は287万円~でした。


❝http://towa-motors.com

    東和モータースのキャンピングカーツェルトCPは標準ボディのポップアップルーフで、室内の圧迫感を解消しています。現在筆者が最も理想的と思っているキャンピングカーです。価格帯は456~558万円。




   オーエムシーのキャンピングカーボギーもほぼ望む形で、シンク用とは別に外用シャワーがついています。今は殆どシンクのノズルを引っ張り出して兼用できますので、シンプルな方がいいですよね。373~440万円、この価格差は主にガソリン車とディーゼル車の違いですが、オプションなどでも価格帯は変わります。



❝http://www.vantech.jp

    バンテックのキャンピングカーマヨルカ、標準ボディにポップアップルーフ、家族4人での長旅も楽しくできます。価格帯は480~558万円。



❝http://focs.campnofuji.jp

    皆さんにとって、キャンピングカーで使うテーブルの大きさって重要ですか?筆者は以前の架装メーカーにわざわざ頼んで、特注で大きなテーブルを作ってもらいました。このフジカーズのキャンピンクカーフォックスエスパシオのセカンドシートの背をテーブルにするアイディアは大好きです、インテリアも高級感溢れて憧れますが、これでギャレーがなくなるくらいなら、ルーフを架装して欲しいですね。子供のいる家庭は水を何かと使います。価格帯は338~406万円。



❝http://www.whitehouse.co.jp

    ホワイトハウスのキャンピンクカーコンパスビッツも理想的です。ポップアップルーフですし、必要な設備は完備されています。しかし、標準ボディの幅1690mmを1720mmに拡張しています。制限がある駐車場ではこれだけでも障害になってしまいますTT 価格帯は446~524万円。


❝http://www.toy-factory.jp

    トーイファクトリーのキャンピングカートーイズボックスS-GLは、もっともシンプルの形で実現したキャンピングカーです。標準ボディで標準ルーフ、気軽に街乗りから家族旅行まで楽しめる1台です。価格帯は338~415万円。

❝http://www.toy-factory.jp

    トーイファクトリーのキャンピングカーエコロも、コンパクトキャンピンカーの先駆けとして名の知れた存在です。当初はライトエースを使用していましたが、いまは日産NV200のワゴンをベース車にしています。乗り心地は断然バンよりいいですが、この圧迫感はキャンピングと言うよりも、接待室の感じが強いです。出来ればいいなと思って問い合わせてみましたが、ポップアップルーフには対応してくれませんでした。256万円なので、乗用車を車中泊として使う感覚ならいいと思います。



❝http://cc-hiro.co.jp

    キャンピングカー広島の名を一気に押し上げたのがこのライトエースベースのピコかも知れません。いわゆるコンパクトカーですが、余裕で二人旅の必要設備が整えています。ポップアップルーフの標準搭載で住空間の心配もありません。子供が巣立った後はこれで自由に旅したいですね。公式ページには見つからなかったが、提携販売会社で見つけた販売価格は319~349万円、安くはないですね~。



❝http://www.annex-rv.co.jp

    セカンドシートの背を大きなテーブルとして使うアイディアを、最初に見たのはアネックスのキャンピングカーファミリーワゴンSでしたね。当時はとっても画期的な分かりやすいレイアウトで、欲しいと思いました。やはり標準ボディは最近出たモデルで、水回りの要望を聞いてくれるなら、次の検討候補にしたいと思います。価格帯は379~462万円。



❝https://www.facebook.com

    ANNEXから出た最新モデルは標準ボディでもしっかり大家族向けのキャンピングカーコンポーサERウィズファミリー、室内二段ベッドプラスポップアップルーフのベッドがあります。空間を最大限に利用したのが、大家族にもうれしいですね。まだ価格帯が分かりませんので、気になる方はお問合せしてみて下さい。

    他にも幾つかのキャンピングカー架装メーカーがありますが、今回は長距離運転にはあまり気持ち良く乗れない横向きシートのレイアウトや標準ボディ以外豪華さを追求するキャンピングカーは取り上げませんでした。冒頭に言う都会に1台しか車が持てない家庭の事情と条件があるからです。

    最終的にどのキャンピンクカーにするかは、まだわかりませんが、どっちみち、全条件をクリアできる車種はまだ見つかっていません。昔は自分で選べば済みますが、今は口出しする人が増えていますので、家族全員の意見を纏める時間も結構かかるかも知れません。でも、全員がキャンピングカーから乗用車に乗り換える考えがなく、当然のようにキャンピンクカーからキャンピングカーに乗り換える事しか頭にありません。 

    それでは、本記事がお役に立てるよう願っております。